おかやま国際塾 > 活動報告 > 2015年5期生活動の様子

2015年6月7日 開校式の様子

第5回おかやま国際塾の開講式を岡山大学にて執り行いました。

開講式では実行委員会からの挨拶の後、国際塾5期生3名は自己紹介を行い、それぞれ国際塾への意気込みを熱く語りました。続いて、国際塾についての説明や国際塾4期生の経験など、海外研修に向けた講義を受講し、研修が始まりました。

ここから、8月後半のベトナムでの現地研修に向けた塾生の準備が始まりました。

 

事前準備

6月10日に第1回目となる事前研修を開始した国際塾5期生は、AMDA本部にてベトナム側の受け入れ協力機関の代表者とオンライン会議で自己紹介を行いました。これから約2ヶ月間、塾生3名は、AMDA本部や岡山大学に自主的に集まり、自分たちが現地にどんな目的で行くのか、何を学びたいのかについて考え、現地の活動を計画しました。また、ベトナムで一緒に活動するバリア・ブンタウ大学とホーチミン師範大学の学生と一緒にそれぞれが考えた活動計画について話し合いを重ねながら、現地で行う活動を決定していきました。

 

出発前には、国際塾5期生が現地の大学で行うプレゼンテーションをAMDA本部で行い、黒神先生とAMDAスタッフの前で発表しました。自分たちなりに一生懸命考えて準備していましたが、色々な人に聞いていただくことで、違う視点から多くのアドバイスをいただくことで更なる改善点が見つかり、塾生は出発ぎりぎりまで発表内容の変更をしました。

 

2015年8月18日〜25日海外研修へ

2015年8月18日

関西空港を出発し、タンソンニャット空港に到着しました。AMDAスタッフと迎えに来てくれたバリア・ブンタウ大学の学生たちと合流し、バスにのってブンタウへと向かいました。

 

途中バスがとまってしまうハプニングもありましたが、人生初のヒッチハイクに挑戦し、無事にホテルへ到着することができました。

バリア・ブンタウ大学の先生方、学生のみなさんとあいさつをかわした後は、一緒に夕食を楽しみました。漁業の盛んなブンタウの魚介料理や、ベトナムコーヒーをいただき、早速ベトナムの文化に触れることができました。

 

2015年8月19日

午前中に、正熊機械さんの工場を訪問しました。この訪問では、この工場を統括しておられる日本人にお会いし、海外で働くとはどのようなことなのか、海外の人たちと仕事をする上での工夫などグローバル社会において大切なことを教えていただきました。ベトナムに工場を置き、取引相手はすべて日本企業だそうなので、品質管理や接客態度、挨拶などを徹底しておられました。ベトナム人の従業員と一緒に仕事をしている姿に、見習うべきことがたくさん見つかりました。

 

昼食をはさみ、午後からはバリア・ブンタウ大学で原爆についてのプレゼンテーションを行いました。バリア・ブンタウ大学の学生がたくさん参加してくださり、予想以上の観客に塾生3人ともこれまでにないほど緊張しました。それに加え英語でのプレゼンということもあり、早口になったり、詰まったり、かんだりしてしまい大変でした。それでも、平和研修までして準備した思い入れのある内容なので、相手に伝わるよう一生懸命頑張りました。私たちの発表の次は、バリア・ブンタウ大学の学生がベトナムでいまだに問題になっている枯葉剤の影響について発表してくださり、その後はグループに分かれてディスカッションを行いました。言語の壁もあり、助けも得ながらの活動になりましたが、平和について考える非常に内容の濃い時間でした。

 

 

2015年8月20日

まず、海辺のゴミ拾いのボランティアから始まりました。砂浜のゴミはブンタウ省でも問題の一つになっているそうです。その後、山に登りながらゴミ拾いを続けました。その山では、舗装された山道の脇に、使用された麻薬の注射針がたくさん捨てられています。そこで、それらを専用の容器に回収していきました。実際にそれらを目の当たりにして驚くとともに、ベトナムの一つの側面を知ることができました

 

午後からは、ブンタウ省でとても有名な観光地に向かいました。そこには、高さが30メートルほどもあるキリスト像が山の頂上に立っています。しかし、ここで激しいスコールに遭い、ベトナムの天候を体験することができました。

 

この後、バリア・ブンタウ大学でお世話になった学生とお別れ会をしました。私たちからは、彼らに日本のお土産をプレゼントしました。また、バリア・ブンタウ大学の学生一人が弾き語りをしてくれるなど、とても楽しい時間を過ごしました。

 

この日は、塾生それぞれが別々のホームステイ先に泊めてもらいました。ホームステイ先の家族はとても親切で話しやすく、貴重で有意義な時間を過ごすことができました。

2015年8月21日

3日間お世話になったバリア・ブンタウ大学の学生、先生とお別れし、ベトナム一の経済都市ホーチミンへ移動しました。ホーチミンでは、師範大学とホーチミン工科大学の学生が私たちを迎えてくださいました。自己紹介をした後は早速、細かなスケジュール調整や緊急連絡先の確認などのミーティングを一緒に行い、現地研修の感覚にも慣れてきました。

 

この日の活動は、ツーズー病院の平和村訪問でした。平和村はベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響を受けた子供たちが暮らしています。この訪問の目的は、枯葉剤の影響をしっかり学ぶことと、障害を持って生まれた子供たちに夢を持ってもらおうというものでした。しかし、平和村の形態は私たちの想像していたものと大きく異なり、計画通りには進めることができませんでした。ですが、子供たちと触れ合ったり、生まれてすぐに亡くなった障害を持つ新生児のホルマリン漬けなどを見たりして、枯葉剤の危険性を再認識し、二度とこのようなことを繰り返してはいけないと強く実感しました。また、結合双生児としてうまれた、日本でも有名なベトさんドクさんのドクさんにお会いし、お話を伺いました。

 

2015年8月22日

この日は朝からホーチミン師範大学で、プレゼンテーションをおこないました。

今回は、前回の発表でうまく起動しなかった動画も調整しました。2回目、かつ日本語ということもあって、前回よりもスムーズに発表することができ、参加したベトナム人学生からも積極的に質問があがりました。

その後のディスカッションでは、ベトナムの学生ならではの意見も聞くことができ、非常に勉強になりました。日本、ベトナムそれぞれの国が直面してきた歴史・課題など、さまざまな観点から考察することができ、双方の学生にとって意義深い時間になったと思います。

 

その後の交流会では、折紙で手裏剣の紹介をしました。現地の学生は伴奏なしの素敵な歌声で、歌をうたってくれました。

 

午後は歴史証跡博物館へいきました。想像以上の規模に驚くとともに、館内はたくさんの外国人観光客でいっぱいで、世界的な関心の集まる重要な場所でもあると感じました。

  

最後に、スーパーマーケットに寄って、月曜日の高校の授業で使用する実験道具を買いそろえ、それぞれのホームステイ先へ帰宅しました。

2015年8月23日

ツアーに参加し、クチトンネルに向かいました。クチトンネルとは、ホーチミンから北西に70kmほどのところに位置し、南ベトナム民族解放戦線の有力な拠点でした。アリの巣のように掘られた、人がやっと通れる幅のトンネルの周りには落とし穴があり、トンネルの中で生活ができるようキッチン、クリニックなど環境が整っていました。観光客用の地下トンネルや射撃場など、様々な体験をできる施設もあります。ガイドの方による説明を聞きながら、ベトナム戦争の実態について学ぶことができました。

私たちのツアーには中国や韓国をはじめアジアの人たちが多く参加していました。ほかのツアーには、アジア以外の人たちもたくさん参加していました。

 

ホーチミンに帰った後は、統一会堂に行きました。ここは、南ベトナム当時の大統領官邸だった場所です。一階から最上階までは、豪華絢爛な内装でした。しかし、地下に行くと、雰囲気が一変。様々な機材や資料があり、軍事的な場所であったことが伺えました。

その後、サイゴン大教会や中央郵便局、ホーチミンで最も大きいベンタン市場にも行きました。これらの建築様式に、ベトナムの歴史と文化を感じ、市場での人々の活気やその多さに驚かされました。

 

 

2015年8月24日

この日はホーチミン師範大学付属高校で授業を行いました。熱中症対策について、酢酸で外殻を溶かしたたまごの浸透圧をつかった実験の解説を混じえて、説明をしました。

また、残りの時間で、折り紙の紹介も行い、ベトナムの高校生達も、日本や、日本の文化に興味を持ってくれました。英語に苦戦しながらも、とても元気で素直なベトナムの高校生と過ごした時間は楽しくて夢中でした。

 

午後はベトナム175陸軍病院への表敬訪問でした。ベトナム随一の175病院では、ベトナムの医療について教えていただきました。1番驚いたのは、ベトナムでは医師による処方箋がなくても処方薬を自分たちで購入できるため、自己判断や、祈祷師の判断によって薬を服用し、それが原因で死に至ることも少なくないということです。

175病院表敬訪問の後は空港へ向かいそのまま帰国する予定でしたが、ホーチミン師範大学の先生から日本語学校で日本語を教えてきてはどうか、というご提案をいただいたので、急遽、日本語学校へ伺うことになりました。

 

まず、校長先生にご挨拶をした際、昨今問題になっている日本に来るベトナム人技能実習生について、受け入れ企業が大企業なら問題ないことがほとんどだが、中小企業に送り出すのはやはり心配だとおっしゃっていました。そこで勉強されている学生さんは日本に行きたい!と一生懸命勉強されているので、彼らが日本にきてがっかりして帰るなどという可能性もあると思うと胸が痛みました。

日本語学校での授業を終えた後、タンソンニャット空港までホーチミン師範大学の学生さんが見送りに来てくださいました。これにて、ベトナムでの1週間の研修を終え帰国の途につきました。

 

11月18日 帰国報告会

11月12日、岡山大学を会場におかやま国際塾5期生が自分たちで報告会を企画し、帰国報告会を開催しました。
5期生3名は、自分たちが現地で感じたこと学んだことと、自分たちが考える"グローバル社会で活躍するために"必要な要素を絡めて発表しました。
質疑応答では、報告会に参加した学生から"ベトナム戦争について現地研修で新たに学んだことは?"などいくつかの質問も上がりました。

 


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